藤沢医院

藤沢医院通信blog

パリ2024オリンピック

 さあ皆さん、パリオリンピックが開催しました。前回無観客で開催された東京オリンピックが1年間延期されたため、今回は3年ぶりの大会になります。

 芸術の都で開催された開会式は、フランスが発祥の地である“キャバレー”をイメージした衣装をまとったレディー・ガガがサプライズ登場し、最初の盛り上がりを演出しました。

そしてシメはエッフェル塔で歌う世界が誇る歌姫、セリーヌ・ディオンでした。2年前に、筋肉の痙攣などを引き起こすスティッフパーソン症候群という稀な進行性の神経疾患を患っていることを公表したセリーヌですが、伸びのある美しい歌声を世界中に届けてくれました。また、中盤で登場したセーヌ川沿いにあるコンシェルジュリーという建物。時の王妃、マリー・アントワネットが投獄されていたそうですが、フランスの有名なバンドが演奏する背景で、斬首されて生首を持ついくつものマリー・アントワネットの人形。何ともオリンピックの演出としては、私には理解しがたいものでした・・・・。

 さて、私は今男子柔道66㎏級でオリンピック2連覇を果たした阿部一二三選手の決勝戦を観て、この文面を書いています。東京オリンピックで金メダルを獲得してから負けなしでこの舞台に上がった阿部選手ですが、『やっぱり強かった!』背負い投げが代名詞の阿部選手ですが、相手は全て研究し尽くしているため、誰一人まともに組ませてもらえませんでした。その中での完全優勝。ですが、目指していた2大会連続の兄妹同時金メダルを前に起こったハプニング。何と自分の試合が始まる前に、妹の阿部詩(うた)選手が予想外の敗戦。彼女の絶叫に近い大号泣は、詩選手がこれまで背負ってきたプレッシャーがとてつもなく大きなものであることを物語っていました。妹の無念も背負った上で獲得した金メダル。

“大あっぱれ”を差し上げたいと思います。

 気になったのは、昨日行われた男子体操の予選です。団体・個人・種目別で金メダルを狙う順天堂大学の後輩、橋本大輝選手です。彼が最も得意とする日本のお家芸である鉄棒。私も中学時代は体操部に所属していたのでわかるのですが、中盤の離れ業の時点でいつものキレがない。ずっと磨いてきた最後の着地で、ありえないほど前のめりになって両手をついてしまったのです。この大きな減点により、種目別で金メダルを狙ってた鉄棒の競技に進めなくなってしまいました。実は、橋本選手は5月中旬に平行棒の練習で右手中指のじん帯損傷で指が曲がってしまい、1か月間まともな練習が積めませんでした。おそらく、6種目を連続して行うだけの十分な体力が戻っていないのかもしれません。しかし、日本のエースです。打倒中国を目指して、団体・個人総合の金メダルを期待しています。

 本日は、スケートボード女子ストリート決勝で、世界ランク1位で14歳の吉沢恋さんが金ダルを獲得。
さらに最後まで優勝を争った世界ランク2位の赤間凛音さん(15歳)が銀メダルを獲得して、日本勢がワンツーフィニッシュ。若いなあ、おめでとう!
 最後に、阿部一二三選手の表彰台後のコメント。「非常に大きな重圧があった。でも、私は努力が天才に勝ると思っている。たとえ叶わなくても、努力は絶対に裏切らない。」
これは、妹の詩さんに向けたお兄ちゃんの温かいコメントと思いたいです。

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