もうマイナンバーカードを作りましたか
今回は、マイナンバーカードについて書きたいと思います。
皆さんは、もうマイナンバーカードを作りましたか?因みに私は、現在作成中です。
マイナンバーカードとは、マイナンバー(個人番号)が記載された顔写真付のカードのことです。プラスチック製のICチップ付きカードで表に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーと本人の顔写真などが表示されます。本人確認のための身分証明書として利用できるほか、自治体サービス、e-Tax等の電子証明書を利用した電子申請等、さまざまなサービスにも利用できます。
マイナンバーカードでできることは、主に以下に掲げるものです。
1.個人番号を証明できる
2.1枚で本人確認ができる
3.証券口座開設など民間のオンラインサービスで使える
4.コンビニで住民票の写しなどの公的な証明書を取得できる
5.健康保険証として利用できる
医療機関では、専用の器械でマイナンバーカードを読み取り、患者さんは顔認証により自動的に受付されます。また、患者さんの同意が得られた場合、特定健診の結果や内服している薬を全て確認することが可能になります。つまり、現時点で複数の病院やクリニックを受診している患者さんは、お薬手帳を提出して内服している薬を全て確認するのですが、その必要がなくなるわけです。私たち医師にとっても、効果が同じ薬を誤って患者さんに処方する可能性が格段に低くなりますから、お互いにメリットになると思われます。また、特定健診の結果ですが、地域によって内容に若干の差があるものの、身長・体重・体脂肪率・採血結果・検尿・心電図・既往歴など患者さんの基本的な情報が把握できることは、特に初診の患者さんが来院した場合、私たちはとても助かります。
政府がデジタル化を進めているのは皆さんご存知の通りですが、おそらく目指している最終目標は北欧の医療です。デンマークでは、1968年にすでにマイナンバーが導入されており、医師や薬剤師は患者さんの受診歴や処方歴を全て見ることができます。そして、患者さん自身も通院歴やカルテ、処方歴を見ることができるのです。フィンランドも電子カルテ導入率が100%であり、同様の医療が行われています。
こうした方向に政府が舵を切る1つの理由として、コロナ禍が大いに関係しているのは間違いありません。感染拡大を防ぐ方法の1つとして、クリニックに来なくても電話による診察やパソコンの画面による会話で診察を成立させることは、IT医療と言われるものの1つの例と言えます。
しかしながら、現状における日本の電子カルテ普及率はあまり高いとは言えません。令和2年時点で、一般病院が57.2%、診療所(クリニック)が49.9%です。大学病院に勤務していた私ですら導入したのが約5年前ですから、年配の開業医の先生にとっては簡単なことではありませんし、閉院も考えなければいけない死活問題なのです。ましてや、このコロナ禍の忙しさです。当院では、もちろん政府が決めた来年のマイナンバーカードへの対応は進めて参りますが、日本全体で考えると問題は山積みなのです。