藤沢医院

藤沢医院通信blog

“サル痘”について

今回は、“サル痘”について書きます。

サル痘は、天然痘に似た特徴を持つウイルス感染症です。

2022年6月23日現在、世界で3557例のサル痘患者が報告されています。

現時点では、日本国内ではサル痘患者は報告されていませんが、韓国やシンガポールでも報告されており、日本で報告されるのも時間の問題かもしれません。

これまでに分かっていることは大半が男性患者であり、20代から40代の比較的若い世代に多いことも特徴です。その理由として、ゲイやバイセクシュアルなど男性とセックスをする男性の間で発生したケースが多いことが指摘されています。

サル痘は、1970年にコンゴ民主共和国で初めてヒトでの感染例が報告されたサル痘ウイルスによる動物由来の感染症です。サル痘という名前ですが、サルも感染することがあるというだけで、もともとの宿主はネズミの仲間のげっ歯類ではないかと考えられています。

サル痘は1980年に世界から根絶された「天然痘」に病態がとても良く似ており、症状だけでこれら2つの疾患を鑑別することは困難です。しかし、サル痘では人から人へ感染する頻度は天然痘よりも低く、また重症度も天然痘よりもかなり低いことが知られています。アフリカにおけるサル痘患者の致死率は1~10%とされていますが、これまでに1名の方が亡くなったと報告されています。

サル痘の皮疹は天然痘と非常に似ており、水疱という水ぶくれが見られることが特徴です。同様に水疱が見られる水痘(水ぼうそう)では、水ぶくれの時期、かさぶたになった時期など様々な時期の皮疹が混在しますが、サル痘や天然痘では全身の皮疹が均一に進行していくのが特徴です。

治療は、原則として対症療法となります。アメリカやイギリスなど海外では、天然痘に対する治療薬が承認されており、実際に投与されていますが、日本ではこれらの治療薬は現時点では未承認です。

 サル痘は、下記の①~③によって感染することがわかっています。

  1. サル痘ウイルスを持つ動物に噛まれる、引っかかれる、血液・体液・皮膚病変に接触する
  2. サル痘に感染した人の飛沫を浴びる(飛沫感染)
  3. サル痘に感染した人の体液・発疹に触れる(接触感染)

天然痘ワクチンは、サル痘にも有効です。しかし、1976年以降日本では種痘は行われていませんので、昭和50年以降に生まれた方は接種していません。イギリスでは、今回の流行を受けて、サル痘ウイルスに感染するリスクが高い性的活動性が高い男性に対して、天然痘ワクチンの接種を推奨しています。

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