藤沢医院

藤沢医院通信blog

今自分ができること

 皆さん、こんにちは。愛知県にも緊急事態宣言が発令され、当院の発熱外来を受診される患者さんも急増しております。新型コロナウイルスのデルタ株は感染力が非常に強く、お子さんにも複数の感染例が認められています。私の印象としましては、家族以外の親戚や友人との会食や旅行に陽性者を多く認めており、そのほとんどがワクチン未接種者です。現在当院でワクチンを接種する方の多くは20歳前後にシフトしており、最も行動力のあるこの年代の接種が進めば明らかに感染者が減少していくのではないかと考えております。

3世代家族を例に挙げますと、祖父母の世代は既に約9割の方々が2回目の接種を終えていることに加えて、行動範囲が狭いことからコロナウイルスを自宅に持ち込むことは考えにくいと思われます。パパとママの世代は現在進行形でワクチン接種が進んでいますから、ワクチン未接種の友人・親戚との会食などを避ければ、彼らもまた家にウイルスを持ち込む可能性は低くなると考えます。今一番感染リスクが高いのは、高校生から30代までの年長の子どもたちでしょう。行動力のあるこれらの年代は、部活やその後の会食、バイト先での狭い空間での密な状態、そして友人との遊びや恋人とのデートなどで感染に至るケースが多いです。数百例の発熱患者さんの話や診察を経験する中で、私にはコロナウイルス感染者の特徴が見えてきました。発熱に加えて咳や咽頭痛、頭痛などの症状は、普通の夏風邪でも認める症状ですから、これだけではコロナウイルス感染症を疑う手がかりにはなりません。一番重要なのは、先に書いたように症状が出るまでの行動なのです。この聞き取りである程度コロナウイルス感染の可能性はしぼれてくるのです。

  1. ワクチン接種が2回終了しているか?
  2. 感染者との濃厚接触であるか?(多くの方が濃厚接触ではないものの、心配が強くなって当院にも多数の電話問い合わせがあります。)
  3. ワクチン未接種者どおしで会食や旅行、デート・バイトなど密な時間を過ごしたか?

この3つが重要なポイントです。

 ワクチン接種が2回終了しているにもかかわらず、当院でコロナウイルス抗原検査が陽性になった患者さんは1例しかいませんでした。したがって、ワクチン未接種で感染者と濃厚接触と判断された場合、陽性率はかなり高くなります。濃厚接触は無くても、ワクチン未接種者どおしの会食・旅行・デート後に発熱や上気道炎(咳、咽頭痛、頭痛など)を認めた場合も陽性率は高いです。

 結局、尾身先生が“このような状況は危ないですから、なるべく避けてください”と話しておられる内容に行きつくことがわかりました。

 今一番大事なのは、若者の意識だと思います。デルタ株の蔓延を抑える鍵は、若者のワクチン接種率にかかっていると言っても過言ではありません。もちろん打つ打たないの考えは人それぞれですが、皆さんの家族や大事な人を守るために今自分ができることをよく考えて行動してほしいと切に願っております。

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