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藤沢医院通信blog

順天堂大学の後輩

 東浦町の新型コロナに対するワクチン接種は順調に進んでいるようですが、今回は一休みして私が注目する二人の順天堂大学の後輩について書きたいと思います。

 まず一人目は体育学部2年生の三浦龍司君です。6月26日に陸上の日本選手権が行われましたが、3000m障害で8分15秒99の日本新記録で優勝してオリンピック代表に選出されました。このレースの後半で“事件”は起こりました。最後の1周の手前で先頭を走っていた三浦君は、水郷を飛んだ後に転倒して3位に後退したのです。「頭が真っ白になった。」と後で話した三浦君ですが、そこからギアを上げて前の2人をあっという間に抜き去るとそのままスピードを落とさずに余裕の1着で勝ち切ったのです。走るたびに記録を伸ばす三浦君ですが、何といっても彼がすごいのは、レースが終わった後にいつも涼しい顔をして息が上がっていないところです。私の恩師兼仲人であり、医師でありながら順天堂の駅伝部門の強化理事を務めておられる宮野先生が、「三浦はエンジンが違う。20kmを2本走っても涼しい顔をしている。先輩の塩尻(元順大のエースで現在富士通の主力)より全然上だ。」と話されたことを思い出しました。今年の箱根駅伝でも最も注目された1年生の1人でしたが、オリンピックの本番では8分10秒を切ってメダルを獲得する可能性があるので、皆さん注目してください。また、この種目では山口浩勢選手(愛三工業)と青木涼真選手(Honda)の2人もオリンピック参加標準記録を突破したため、3人が代表に内定するという快挙となりました。彼らの言葉が印象的でした。「3000m障害という陸上の中でもマイナーな競技において、三浦君という新星が現れたことによって、自分も負けたくないという気持ちで頑張っている。」

 二人目は医学部1年生の福岡堅樹君です。ラグビーのトップリーグでパナソニックのメンバーとして優勝後に引退した福岡君ですが、6月27日に林修(東海高校でラグビー部に所属)が司会を務める「日曜日の初耳学」で放送された2人の対談について書きたいと思います。まず、ラグビーのトップで練習をしながら医学部合格を得るため勉強ができるのかという疑問に対して、「ラグビーと勉強を両立できたからこそ合格できた。」という言葉が印象的でした。「自分は集中力が持続しないから、1時間は集中すると決めて勉強した。」とのことです。また一浪して医学部受験に失敗したときに、まずはラグビーに専念してワールドカップとオリンピックに出場して引退、その後に医学部を受験し直すという人生設計を立てたのは驚きでした。オリンピックは1年間延期になったため出場は叶わなかったのですが・・・・。ラグビーに関する挫折も経験者として共感できるものでした。当時の日本代表を率いていたエディー・ジョーンズに、練習中に余力を残していることを見抜かれて「外れろ」と言われたときに、初めてラグビーを辞めたいと思ったとのことです。私この気持ち、よくわかります。ラグビーの練習は本当にきついんです。私も吐きながら首根っこをつかまれて走ったことがありますが、練習前は本当に暗い気持ちになったものです。一番面白かった話は、「医学部でラグビーはやらないんですか?」と質問されたところです。「何度も誘われましたが、さすがにやりません。でも機会があれば教えるくらいはしたい。」と返した福岡君。ぜひ、私の後輩たちを指導して優勝に導いてほしいと思います。

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