ラグビーワールドカップ日本大会2
今回も決勝戦と3位決定戦を残すのみになったラグビーワールドカップ日本大会について書きます。前回大会で日本の指揮をとったエディジョーンズが率いるイングランドが、大会3連覇を狙った絶対王者であるニュージーランドを見事に破りました。私はニュージーランドが勝つと思っていましたが、点数以上にイングランドは相手を圧倒し試合を支配しました。フィジカル(運動量と体力)の差によって、特に後半はニュージーランドが何もさせてもらえなかった印象でした。4年前のチームと異なっていたのは、イングランドの選手の体つきでした。ただ単に体が大きいだけの選手はいなくて、皆腕も肩も胸板もヘラクレス軍団のように筋骨隆々の面々ばかりでした。エディジョーンズが日本の選手にも課したように、彼は限界まで筋力トレーニングを行ったと思われます。試合後のエディの言葉が印象的でした。「ニュージーランドは準備に1週間かけたが、我々はこの試合のために2年半かけてきたんだ。」決勝戦はイングランド対南アフリカになりましたが、私は勝者がイングランドになると宣言します。
さて、日本の快進撃ににわかラグビーファンの皆さんもさぞ熱狂的な声援を送ったことでしょう。何せ世界8強のアイルランド(大会直前まで世界ランク1位)とスコットランドを破って4戦全勝で決勝トーナメントに進んだのですから。特にスコットランド戦はボクシングで言えば打ち合いの試合になりましたが、最後は結束力と守備力の差で日本が上回りました。スコットランドのトップは試合前に、「試合を開催しなければ訴えてやる」とまで言っていましたが、台風一過の横浜のスタジアムで沢山の方の献身的な復旧作業によりこの名勝負が行われたことをとても感謝したいと思います。
日本の選手の多くが、「我々は多くの犠牲を払ってこの大会に臨んでいる。」と言っていましたが、彼らはこの大会前に250日も合宿をしていたのです。何と8か月以上です。家族や子供、恋人に会うことを我慢してチームメートと家族のように過ごしたのです。結束力や信頼関係が強くなるのは、彼らにとっては必然だったのです。
今回31人のメンバーの中に15人の外国人選手がいましたが、日本の国歌“君が代”を斉唱するときに、監督のジョセフを含む外国人選手も歌っていたことを皆さんは気がついたでしょうか?実は宮崎で合宿を行っていたときに、キャプテンのリーチマイケルは外国人選手を連れて実際の“さざれ石”を見に行ったのです。そして全員に歌詞の意味を教えて
“君が代”を歌う練習をしました。他の競技で外国人選手が“君が代”を歌う姿を、私は見たことがありません。日本人の奥さんと結婚した選手や日本国籍を取得した選手が複数いますが、それにしても何という日本へのリスペクトでしょうか!
私はラグビーのやっていたので、それがとても痛くてきついスポーツだとわかっています。そしてこれをやり遂げるには、強い自己犠牲心がないと不可能だと思っています。今回、そんなラガーマンに皆さんが注目してくれることをとても嬉しく思います。