藤沢医院

藤沢医院通信blog

新しい天皇陛下

 皆さんに令和元年最初の藤沢医院通信をお届けしたいと思います。

5月1日をもって新しい天皇陛下が誕生しました。令和は皆さんにとりまして、明るい良い時代になることを切に願っております。さて、平成元年の陛下即位はご存知の通り、昭和天皇が膵臓癌により崩御されたため自粛ムードの中で執り行われたのに対し、私は今回の譲位を荘厳な中にも笑顔に満ち溢れた時代の移り変わりに感じました。

 私たちは「上皇さま」「上皇后さま」という存在を初めて体現する機会を得ました。確かに日本史で、例えば「後白河上皇:1127年生~1192年没、平安時代後期の第77代天皇で、その座を譲位後34年間院政を行った」とありますが、上皇の存在自体が200年以上前とのことで、とても貴重な時間に生きているんだなあと実感するばかりです。ちなみに“院政”とは天皇に代わって政治を取り仕切ることを言いますが、この度の上皇さまと上皇后さまには決められたお仕事はないそうです。今後政府は、天皇陛下と上皇さまのお仕事が重ならないようにこれから考えていくようです。

 上皇さまは、10年以上も前から生前譲位を希望されていたそうですね。しかし、混乱を避けるためにこの発言を知っていた宮内庁の面々は、決して他言することはありませんでした。なぜこのような一代限りの生前譲位が行われたかは、現在の平均寿命・健康寿命が延びたことと天皇陛下の職責が大きくなっていることが関係していると思われます。誠に僭越ながら、上皇さまはご高齢になられたご自身が果たして多忙な責務を全うできるのかとお考えになられ、若い皇太子に席を譲りたいと思われたのは容易に想像できます。皆さんが知っての通り、上皇さまは前立腺がんの手術を乗り越えた後に、数年前に狭心症で開胸手術を順天堂の前院長であられる天野 篤教授執刀のもとお受けになられ、回復されたのは有名な話です。このようなご経験を経て上皇さまが譲位についてお考えになられたのは、当然の成り行きと考えられます。

 今回の譲位が政府で話し合われ、“一代限り”の出来事として執り行われたわけですが、私たちの寿命がどんどん延びていくことを考えれば、今後も生前譲位が話し合われる可能性があると思われます。

 最後に、令和の年に皆様のご多幸を改めてお祈り申し上げます。

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