藤沢医院

藤沢医院通信blog

第100回全国高校野球選手権

 今回も前回に引き続きスポーツネタ、第100回全国高校野球選手権について書きます。大阪桐蔭高校が見事に春夏連覇を果たしましたね。さすが、選手たちが日本一の練習をしてきたと自負するだけのことはあります。では、今大会で注目された二人について書きたいと思います。

 まずは準優勝の金足農業から、エースで一躍ドラフト1位候補に躍り出た吉田輝星(こうせい)君。現在の高校野球ではほとんどあり得ないワンマンエースで、決勝戦の途中まで彼は881球を投げ切りました。秋田県予選も彼が5試合を一人で投げ抜いたと言いますから、合計1500球以上をこの短い期間で投じたわけです。まずは“顔”ですが、とても爽やかでイケメンですね。全国の女子が黙っていないでしょう。彼女は??そしてきれいな白い歯、と思っていたのですが、実は歯を痛めないようにマウスピースをしていたとのことです。本題に入りますが、彼のストレートは一級品です。特に低めの伸びは素晴らしく、阪神タイガースの藤川球児投手の全盛期のストレートを思い出しました。藤川投手は、最後に指先でボールを強く押し出すことでスピンをかけて浮き上がるようなボールを投げていましたが、吉田君も同じだと思います。因みにボールがどのくらい伸びているかをデータ化したニュースが出ていましたが、吉田君の数値は高校生はおろかプロ野球投手の平均値よりも上だとわかりました。吉田君は高校日本代表にも選ばれていますが、しっかり肩を休めてもらってから活躍を見たいものです。

 続いて優勝校の大阪桐蔭から根尾昴(あきら)君。彼は岐阜県出身で、ご存知の方もいると思いますが、ご両親はお医者さんです。3歳上のお兄さんは岐阜大学医学部に在籍中で、野球でも活躍したようです。お姉さんは看護師さんで、まさに医療関係一家です。根尾君は中学時代の成績がオール5で、スポーツも万能。中学2年生のときスキー大会で優勝したものの、野球1本で行くと決めたのです。運動神経の良さは投手と野手の二刀流が出来ること、どちらも一級品であることから明らかです。最初に書いたとおり、大阪桐蔭の練習は野球以外に筋トレやダッシュなど、とてもハードです。因みに野球部は全寮制で、携帯は所持できません。家族とは2か月に1回だけ会って食事をすることができます。楽しみは月に1回のコンビニ旅行でバスに乗ってみんなで直行し、1年生は500円、2年生は1000円、3年生は1500円まで必要なものを買うことができます。これだけストイックな生活をしていることも、彼らが“楽な生活している相手に負けられるか!”と思う強さの1つです。

さて根尾君ですが、高校でも野球部で一人だけ優秀なAクラスです。私が一番すごいと思ったのが西谷監督のコメントです。以下は監督の話。「根尾君が授業中に寝ているということを聞いたことがありません。試合の遠征帰りのバスでもみんなが寝ている中で、彼は1人だけ本を読んでいます。珍しく疲れてバスの中で寝ているのを見ると、“ああ、根尾さんも人間なんだなあって、ほっとします。”」西谷監督が“さん付け”するほど、根尾君は特別な存在なのです。彼は野手としてプロ野球を目指しているようですが、まずは高校日本代表で大活躍が期待できそうです。

«
一覧へ
»