藤沢医院

藤沢医院通信blog

AI(人工知能)と医療について

今回はAI(人工知能)と医療について書きたいと思います。その前に、トヨタが静岡県裾野市に展開する“トヨタ ウーブン・シティ”の内部を一部公開しました。この町では、AIや自動運転などの先端技術を生活の中に導入していきますが、この秋には関係者の家族が360人ほど生活を開始するとのこと、最終的には2000人規模の居住を見込んでいるようですが、今後の近未来都市がどのようなものになっていくのか非常に興味があります。
さて、AIは現在医療の分野で急速に革新をもたらしています。高精度の診断から治療計画の最適化、患者さんケアの向上まで、AIの応用は多岐にわたります。まず、画像の解析において特に大きな成果を上げています。例えば、AIを使用してX線やMRI画像の異常を検出することで、早期診断が可能となり、患者さんの生存率向上に寄与しています。AIは数百万枚の画像を学習することで、放射線科医の経験を凌駕する精度を持つことができます。当院では、胸部X線画像の診断において、1年前からAIを導入しておりますが、肺がんや肺炎を疑う部分は赤く、疑いが低いけど気になる部分は青く色づけて、点数化(100点に近いほど悪い)して表示してくれます。当院に来られた患者さんの中にも、この画像を使用して説明した方がたくさんおられます。
AIはがんの早期発見においても強力なツールです。例えば、乳がんのマンモグラフィーにおいて、AIは微細な異常を高精度で検出し、従来の方法では見逃されがちな初期段階のがんを見つけることができます。これにより、早期治療が可能となり、患者さんの予後が大幅に改善されます。また、昨年には乳がんの超音波診断に関してもAIを使用したソフトウエアが開発されました。私が特に得意とする乳腺の超音波診断は、これまでに16000例以上の患者さんに検査をさせていただいた経験から成り立っております。しかしながら、現時点で乳腺専門医は全国に2000人ちょっとしかおらず、そのほとんどが大学病院や一部の総合病院と都市部集中しております。私は知多半島で唯一の乳腺専門医を取得した開業医ですが、乳がん領域において、AIが導入されることはとても喜ばしいと思っております。
そして、テレビの宣伝でもお馴染みの富士フィルムが開発したAIによる内視鏡診断、私も胃内視鏡で使っております。がんやポリープなどが疑われる部分があると、ピコンピコンと音が鳴って、『 』でその部位を教えてくれます。私は自らの経験値とAI診断を組み合わせて、確定診断に繋がる“生検”を行います。特に診断が難しい早期食道がんにおいては、AIの実力を感じることが何度かありました。
AIは、個々の患者さんに最適な治療計画を立てるための支援も行っています。遺伝子情報や患者さんの病歴を考慮したAIは、効果的な治療法を提案するだけでなく、副作用を最小限に抑える方法も提供します。また、個別化医療(パーソナライズド・メディスン)は、患者さんそれぞれの特徴に基づく治療法の選定を目指すものであり、AIがその実現に大いに貢献しています。AIは膨大なデータを処理し、最適な薬剤や治療法を選択することで、治療の効果を最大化します。
AIと医療の融合は、将来の医療の在り方を根本的に変える可能性を秘めています。これからも技術の進化と共に、より良い医療サービスが提供されることを期待しています。

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