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二刀流で活躍の大谷翔平選手

今回は、メジャーリーグで二刀流の活躍を続けるエンゼルスの大谷翔平選手について書きます。なぜ大谷選手かと言いますと、この藤沢医院通信を楽しみにしてくださるある患者さんから、「次は大谷翔平選手について書いてほしい。」とリクエストを受けたからです。

大谷選手は、今日初めて臨んだオープン戦の初戦で、初球のカーブを見事にライトスタンドへホームランをかっ飛ばしました。エンゼルスのマドン監督は「初球のカーブをホームランにするなんでびっくり!」とコメントを出しましたが、それもそのはず初球のカーブを打つバッターはほとんどいません。ちなみに、大谷選手は開幕戦で日本人として初めて先発ピッチャーとしてマウンドに立つことが決まっています。

彼が最もすごいところは、野球の最高峰であるメジャーリーグで、ピッチャーとバッターの両方で活躍していることです。この二刀流は、日本の高校野球までは珍しいことではありません。特に少年野球においては、体が大きくて運動神経が最も発達した選手が4番でピッチャーを務めることはよくみかける光景です。しかし、高校→大学あるいは社会人→プロ野球とより高度な技術を求められる集団になるに従って、ピッチャーかバッターのどちらかに絞らざるを得なくなるのです。

メジャーリーグにおいても、それを成し遂げた選手は皆さんも知っているベーブ・ルースただ一人しかいません。彼の本名は、ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニアです。子供のように童顔であったことから「ベーブ(Babe)」の愛称で呼ばれるようになりました。球界に残した偉業から、「野球の神様」と呼ばれています。ルースは1916年に所属先のボストン・レッドソックスで23勝12敗の成績を残し、翌年には24勝13敗に加えて打率.325を、さらに1918年には13勝7敗に加えて11本のホームランで、生涯初の本塁打王を獲得しました。これが、メジャーリーグで唯一の「同一年度10勝+10本塁打」で今でも破られていない記録になっています。今から100年以上前の出来事ですが、ちなみにこの年にスペイン風邪が猛威をふるいました。新型コロナウイルスが蔓延する現在にその記録を超えようとする大谷選手の存在は、変な因果を感じてしまいます。

さて大谷選手に戻りますが、昨年は先発で9勝+46本塁打であと1勝足りず、ホームラン王には2本差で手が届きませんでした。彼の出身校は岩手県の強豪校である花巻東ですが、先輩の菊池雄星投手もメジャーリーグで活躍していますよね。岩手県と言えば、大船渡高校出身の佐々木朗希(ろうき)投手がロッテで活躍する予感がしますが、彼も将来的にはメジャーリーグを目指しているに違いありません。

皆さんは、大谷翔平選手が高校1年生の時に作成した「目標達成シート」の存在を知っていますか?最も強い目標を中心に、全部で81項目の目標を掲げたシートなのですが、中央には「ドラフト1位、8球団(競合)」と書かれています。「スピード160km/h」「ストライクからボールに投げるコントロール」など、野球に直結する目標は当然のことながら、注目すべきは「ゴミを拾う」「信頼される人間」「愛される人間」など人間力を高めるための目標も書かれていることです。彼は、グランドでゴミを見つけると必ず拾ってポケットに入れます。今年は、圧倒的な成績で必ずやべーブ・ルースの記録を抜いてくれるでしょう。

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