新型コロナウイルスのワクチン
今回は、日本でも接種が始まった新型コロナウイルスのワクチンについて書きます。
いまや第4波の入り口にいるのではないかと言われていますが、もはや緊急事態宣言の発出だけで感染をコントロールできなくなっているのは、誰の目にも明らかな状況になっています。『人が集まらないほうがいい』に決まっていますが、これから“花見・入学・入社”など密集する行事が待ち受けています。また4か月後にはオリンピックの開催も控えている日本ですが、特効薬はずばり“ワクチン”だと思います。
人口が920万人のイスラエルでは既に半分以上の国民が2回目のワクチン接種を終えており、高齢者に至っては80%の人が接種を済ませています。その結果、感染者数は右肩下がりで減少に転じてきています。
ワクチンには皆さんがご存知の通りいくつかの種類があり、『変異株には有効なのか?』といった疑問は残りますが、今全世界の感染を抑え込むのはワクチン以外にないと思われます。日本では現時点で82万人の医療従事者が、1回目ないしは2回目のワクチン接種を終えていますが、8,000万人の国民が接種すると仮定してもまだ1%強しか打ち終えていません。東浦町においても65歳以上の高齢者への接種は5月以降にずれ込むことが決定しておりますが、3月27日に接種会場である文化センターにおいて医師・看護師・保健師と町の職員が集結して、ワクチン接種の予行演習が行われました。実際の会場の流れを見てみて課題は多々あると感じましたが、前に進むためにはやるしかないと思っています。
先日国内で先行接種した医療従事者2万人の副反応に関して中間報告が発表されましたが、2回目の接種後に37.5℃以上の発熱が36%、だるさが67%に認められました。
因みに1回目の接種後の発熱が3.3%、だるさが23.2%ですから、2回目の接種後の方が副反応が起きる可能性が高いという結果です。接種した腕の痛みに関しては、1回目も2回目も9割以上に認めていますが、これらの症状は数日で軽快しているとのことです。皆さんが毎年接種するインフルエンザワクチンによる副反応は発熱が3%、だるさが19%ですから、これを大きく上回る数字であることは間違いないようです。
65歳以上でも仕事をされている方は、ワクチン接種の予約を申し込むに際して、翌日以降の仕事をどうするかあらかじめ考えておいた方がよいように思われます。私も近頃の診察中には『私はワクチンを接種できるのか?やった方がいいのか?』との質問をよく受けます。実際に体力が弱っていたり重い病気にかかっている方は、ワクチン接種による強い副反応が起きた場合に全身状態が悪くなる可能性は否めません。そのための助言を今後も続けていきますが、かかりつけ医とよく相談することをお勧めします。実際の接種会場では問診を行う医師と注射を行う医師が異なり、東浦医師団の全員で持ち回りして行うため、かかりつけ医に当たることもあればそうでないこともありますのでご了承ください。
最後に笑いを1つ、私が大学生のときに熱中していたラグビーのパネルが家の奥から出てきたので、待合室の廊下に掲示してみました。うちの職員は今の私と見比べて『別人だ!』とみんな言います。私からすれば、『自分なんだけどなあ』(笑)。