イングランド対南アフリカの決勝戦
いつも「藤沢医院通信」をご愛読いただき、感謝申し上げます。早くも令和元年の師走を迎えました。私が大好きなラグビーをネタに、ワールドカップ日本大会について連載致しましたが、今回も“連載の最後”としてイングランド対南アフリカの決勝戦について書きます。
理由は2つあります。1つは、先月号で私が「イングランドが優勝します。」と宣言した点です。これに関しては・・・・・「ごめんなさい。反省しています。」2つ目は、ご愛読いただいております患者さんの1人から、「決勝戦を見た感想と、準優勝に終わったイングランドの選手がメダル授与式でとった態度について先生の意見を聞かせてください。」とリクエストをいただいたことです。決勝戦を見ておられない方がいっぱいいると思いますから、その真意について書きます。
優勝候補の筆頭で世界1位のニュージーランド(通称、オールブラックス)を破ったイングランドが勢いに乗って優勢と思われた決勝戦ですが、結果は南アフリカの完勝でした。イングランドはニュージーランドに勝つためにチームを作り上げてきました。つまり、ピークは準決勝だったのです。“あの無敵のニュージーランドに勝ったんだから、南アフリカには勝つだろう。”というのが大方の予想でしたが、イングランドのメンバーもコーチも少なからずそう思っていたはずです。でもそれは“慢心”以外の何ものでもなかったのです。後半の途中まで拮抗していた試合は、イングランドの息切れによって思わぬ大差になってしまいました。優勝した南アフリカは控えメンバーを上手く使いながら、決勝戦にピークを持っていったのです。南アフリカは1ヶ月以上の長期にわたってフィジカルという体の強さの点で、No.1だったと思います。特にジャパン戦で活躍した9番のデクラーク選手は、体が一番小さくても抜きん出た存在だったと思います。
ジャパンのメンバーは、自分たちに勝った南アフリカの優勝を称えたはずです。何故なら優勝チームの強さを肌で感じることができたからです。南アフリカは、4年前に大恥をかかされたジャパンを本気で叩き潰しに来ましたから・・・。
敗退したイングランド選手の数人は、大会本部から首にかけられた銀メダルをすぐにはずしました。首にかける行為を拒否した選手もいました。これはラガーマンとしては許されない行為であり、“俺たちが負けるはずがないのに、何で・・・・”というおごりが生んだ結果です。ラグビーには試合が終わったらノーサイドという言葉がありますが、これは敵味方関係なくお互いを称え合う行為から生まれたのです。全ての関係者への尊敬の念があれば、あのようなことはできないはずです。イングランドのある選手が試合後の路上で酔いつぶれている姿を写真に撮られていましたが、きっと反省していると信じたいものです。
今年も1年間お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。相変わらずスポーツネタが多い年でしたが、医者としてもに人としてももっと成長しないといけないと感じた1年間でした。「忙しいときに、どうやって患者さんに寄り添うべきか?」をもっと追及していかなければいけないと感じております。来年はもっと成長していけるように、元ラガーマンとして恥じない医師を目指したいと思います。