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大坂なおみ選手

 今回は全豪オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手について書きます。昨年の4大メジャー大会である全米オープンに続く2大会連続優勝、おめでとうございます。今回の優勝により彼女は堂々の世界ランキング1位になりました。

 大坂選手はその名の通り?大阪生まれです。お父さんはハイチ共和国ジャクメル出身で、ニューヨークの大学で学んだ後、13年間日本に在住したハイチ系アメリカ人です。お母さんは北海道根室市の出身で、大坂選手の苗字は母方からきています。札幌で出会った両親は、その後大阪に移住してなおみ選手が生まれました。お父さんは大阪市内で大手語学学校の英語講師をしていました。彼女がテニスを始めたのは3歳で、当時女子テニス界で最強の姉妹と言われたビーナス・セリーナのウイリアムズ姉妹(アメリカ)に憧れていました。昨年8月に開催された全米オープンでは、その憧れであるセリーナ・ウイリアムズを破って優勝したのは記憶に新しいところです。

 彼女の一番の武器は、時に200kmを超える弾丸サーブです。以前に私はこの通信で、男子の錦織圭選手の熱烈なファンであることを書きましたが、彼のサーブのスピードが180km台ですから、いかに彼女のサーブが速いかがわかると思います。因みに錦織選手の身長は178cmで、大坂選手は180cm。テニスは身長が高い方が有利なスポーツですから、彼女の身体能力が非常に高いことがわかります。

 大坂選手がこの1年間で急速に強くなったのには、理由があります。一番大きいのは、

2017年末に彼女のコーチになったサーシャ・ベイジンの存在です。彼はそれまで女子トップクラス選手のコーチを歴任していました。主に練習でヒッティングパートナーという、簡単に言えば練習相手をすることを得意としています。彼は試合相手と同じようなプレースタイルを真似できるため、格好の練習相手になるわけです。それともう1つ、彼はメンタルトレーニングが上手なのです。大坂選手は今大会で、「精神年齢が4歳から5歳になった。」と言っていましたが、実際20歳の彼女は試合中に思い通りのプレーができないと苛立ちから泣き出すこともよくありました。サーシャコーチは、こんなときにプレーに関するアドバイスは全くしません。「君なら必ずできる、顔を上げて」と言ってハイタッチをするのです。サーシャコーチとの打ち合いでメキメキ上達した大坂選手に強いメンタルが備われば、鬼に金棒ですよね。今後は赤土のコートでどれだけのプレーができるかが課題と思われますが、私は大坂選手の時代がすぐそこまで来ていると思っています。

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