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箱根駅伝

 2018年の初ネタは、やはり“箱根駅伝”について書かないといけないですね。

まずは、私の母校である順天堂大学が往路優勝をすると宣言しましたが、見事にはずれました。大ぼらをふいたこと、この記事を読んでくださる皆様にお詫び申し上げます。

 今回は戦国駅伝の様相を呈していましたが、青山学院大学が見事に4連覇を果たし、かつ総合記録でも11時間を切る新記録で優勝しました。原監督は、青学受験生に囲まれてサインを求められるなど、ゴールの読売新聞社前は大変なフィーバーになったようです。原さんはメディアに対して、「我々の敵は東洋・東海・早稲田大学などではなく、サッカーや野球だ!!もっと陸上競技をメジャーにしたい!!」と語ったそうです。原さんのビッグマウスも、今回ばかりは素直に認めざるを得ません。東洋大学の酒井監督、東海大学の両角監督ともに完全に力負けの完敗を認めていました。

 青山学院大学はどうして強いのでしょうか?ひと言でいうと、個々が強くかつ層が厚いことです。特に7区を走った3年生の林君(MVPの金栗杯を受賞)は青学にあっては無名でしたが、初めての出場で区間新記録を出したことで、青学の層の厚さを証明しました。素直に4連覇おめでとうと言いたいです。

さて、我が順天堂ですが、皆さんがご存知のオリンピアン塩尻君(2区)に加えて、キャプテンの栃木君(1区)、山登りの職人である山田君(5区)の3枚の切り札は、青学に負けることはないだろうとの予想し往路優勝を掲げました。が、まさかの塩尻君の不調が連鎖して往路8位と惨敗、復路も負の連鎖で総合11位と、予選会が免除される10位以内に入ることができませんでした。しかし、この中で唯一の光であり心を熱くするランナーが一人いました。それは10区を走った4年生の花澤賢人君です。彼は鳴り物入りで入学し将来を嘱望されていましたが、2年生のときに原因不明の腰痛を発症し、最終的には難病指定されている強直性脊椎炎と診断されました。当時彼は布団から起き上がるまでに30分もかかったとのことです。結局今回の走りが彼にとっては最初で最後の箱根駅伝になったのですが、私はギリギリまで出場が危ぶまれていた情報をキャッチしていました。まさか彼が、1分以上の差で10位の中央学院大学を追うという展開を誰も予想できませんでしたが、無事にゴールしてくれればいいと思った関係者が多かったであろうと思います。しかし、彼は沿道の声援も糧にして前を行くランナーを14秒差まで追い詰めてゴールしたのです。彼はゴールしたときに順天堂の襷を両手でギュッと握りしめていました。私にとっては涙なしでは見られない光景でした。最後に花澤君のコメントをお読みください。「この4年間は困難なことばかりでしたが、人間として成長できました。入学した時は自分自身、プライドが高くて、周りのことはどうでも良いと思うタイプでしたが、今では周りのことをよく見たり、後輩のことを気遣ったり、チームのことを考えたりと、そういう部分で成長できたと思います。競技面ではなく、人間性の面で成長できた大学生活でした。」

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