藤沢医院

藤沢医院通信blog

常在細菌

 今回は“細菌”に関する話をしてみたいと思います。

「男と女の関係は常在細菌の交換からはじまる。」これは、私が勤務していた大学病院で共に働かせていただいた検査技師長が話していた言葉です。常在細菌とは、私たちが普通に体に持っている細菌のことです。

 皆さんも異性とお付き合いする前、最初は会話から始まりましたよね。親密になると「手を握る」「キスをする」、それから・・・・と交際が発展していくわけですが、手を握ればお互いの手にある常在菌が接触し、キスをすればお互いの口の中にいる常在菌が交わるわけです。お互いが健康であれば、当然感染症を発症することはないわけです。常在細菌の交換量とパートナーとの親密さは、ひょっとすると比例するのかもしれません。

 私たち成人は、どれくらいの常在細菌量を持っているか知っていますか?ちなみに消化管(口から肛門までの腸)の中には、100兆個の菌が存在すると言われています。これは重量に換算すると、なんと1.0~1.5kgになるのです。これには私もエーーーーーッとびっくりしました。だって自分の体重の50分の1が細菌なんですよ!!また、口の中には100億個、皮膚には1兆個の細菌が存在すると言われています。人間の細胞が60兆個であることを考えると、これより自分の体が持っている細菌の方が多いなんて・・・・。

 ではもう1つ。腸内細菌の中で最も多い菌は何でしょう?

はい、皆さんご存知の“大腸菌”ですか?実は違うのです。バクテロイデスという嫌気性菌が、最も多いのです。大腸菌は、善玉菌と言われる乳酸菌の仲間と同じくらいで、4番目に多い菌なのです。

 皆さん、勉強になりましたか?

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