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ドジャース ワールドシリーズ2連覇達成

今回は、メジャーリーグでワールドシリーズ2連覇を達成したロサンゼルス・ドジャースについて書きたいと思います。相手は、メジャーリーグの中で唯一カナダに本拠地を置くトロント・ブルージェイズ。第5戦を終えた時点で、ドジャースは2勝3敗と王手をかけられ崖っぷち。敵地カナダに向かう前に、大谷選手は「あと2つ勝てばいいこと」と強気の発言を残しましたが、彼の言葉はとても重く、決して“強がり”ではなかったことを証明したのです。   

 私は2年前のWBCの準決勝、メキシコ戦で1点負けていた9回裏の土壇場に、先頭打者である大谷選手が宣言した言葉、『俺が絶対打つから、みんなも続け!』を思い出しました。以前にも書きましたが、大谷選手は痛烈な二塁打を放ちヘルメットを投げ捨てて激走、二塁上で両手を何度も振り上げて味方を鼓舞、最終的には今年メジャーリーグへの挑戦を表明したヤクルト村上選手のサヨナラ2塁打を呼び込んだのは、記憶に新しいところです。 トロントでの第6戦は、我らが日本人エースの山本由伸選手が相手を無双状態で、第2戦に続き勝利をあげ、3勝3敗の5分に戻しました。さて、優勝決定戦の第7戦ですが、休日ということもあり、私は今期初めてドジャースの試合を観戦できました。先発を任された大谷選手は、明らかに疲れていました。相手の攻撃前にマウンドに出てくるまでの時間が長く、ベンチ裏で毎回処置を施しながら投げていたのです。相手の4番打者に3ランホームランを打たれて0-3となり、マウンドを降りた大谷選手。スタジアムは大歓声で、カナダ国民はワールドシリーズ制覇に向かって、心を1つにして応援していました。敵の大将をマウンドから引きずり降ろしたのですから、無理もありません。私はこの時点で『負けた・・・』と思いました。 メジャーリーグの試合を観戦して、気が付いたことがありました。両チームとも、守備が上手い!!大柄な体格のメジャーリーガーですが、横っ飛びやスライディングキャッチは当たり前で、この試合において両チームにミスはありませんでした。9回表の時点で3-4と1点負けていたドジャースですが、ワールドシリーズ最終戦で最終回に負けているチームの勝率は、何と3勝33敗。勝率は1割にも達しないのですが、ここでロハス選手の劇的な同点ホームランが飛び出したのです。そのとき、ドジャースベンチでは信じられない光景が・・・。通訳を伴ってロバーツ監督の元に向かった山本選手、『私が投げます!』。ブルペンで投球練習に向かう山本選手が佐々木朗希選手の前を通った時、カメラは佐々木選手を口元をしっかり捉えていました。『えっ、投げるの?うそでしょ?!』9回裏の1アウト1,2塁でリリーフ登板した山本選手ですが、一人目にデッドボールを与えて満塁、絶体絶命のピンチでしたが、内野ゴロを打たせてバックホームはアウト。相手のリプレー検証でビデオ判定を見ると、数センチ早くキャッチャーがベースを踏んでいました。そして次の選手は左中間へ大飛球。ダメだと思った瞬間、守備交代で入ったセンターの選手がレフトと交錯しながらも、しっかりとキャッチ。いやーしびれる!11回表にスミス選手の勝ち越しホームランで4-3と逆転したドジャース、そのまま投げ切った山本選手が胴上げ投手になったのは、皆さん知っての通りです。今シリーズのMVPは、文句なしで3勝をあげた山本選手。試合後の選手たちは、山本選手の奮闘を『信じられない!』と絶賛の嵐。大谷・山本・佐々木選手と3人の日本人が大活躍でしたが、外国人にはまねのできない魂を見せてくれました。ロサンゼルスに凱旋したときの大谷選手の英語のスピーチがまた凄かった。『私は3連覇する準備がもうできている!!』 

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