お正月と言えば “箱根駅伝”
今回は、お正月と言えば“箱根駅伝”、私が最も好きなスポーツイベントの1つである箱根駅伝について書きます。その前に、皆さんはインフルエンザ、大丈夫でしたか?年末年始の医療機関は、どこも3,4時間待ちは当たり前で、多い日は180人以上の患者さんを診察した先生もいらっしゃいました。今回の株はH1N1型と言って、2009年に新型インフルエンザとして、2000万人以上が罹患して大流行したものと同じ株です。以前にもこの通信に書いたことがありますが、順天堂練馬病院で感染対策室長を兼務しておりましたこの年を、私は忘れることができません。当時の厚生労働大臣は舛添要一さん。得意のトークで毎日記者会見を開き、患者さんが発生した地区を示しては、国民に注意喚起を促していました。皆さんも、空港で帰国する方がサーモグラフィーにより発熱者として選別されているニュースを見たかと思います。そう、COVID-19と同じことをしていたのです。当時患者さんの受け入れは私への直電1回線のみで、最初の患者さんはアメリカから帰国した6か月の赤ちゃん。病院の陰圧室で鼻腔から検体を採取して、2重の箱に入れられた綿棒は係員が新宿まで移送、感染研で結果が陰性と判明するまで母子は6時間も部屋から出られませんでした。お母さんは、『母乳が出ない。』と嘆き、私は防護服を脱いでスポーツドリンクを買いに走る、戻った後はまた防護服を着て、最後には私のゴーグルに汗が溜まっている状況でした・・・。現在も私は同じような格好をして、感染を疑う患者さんを診察しておりますが、このときの経験があるからこそ今頑張れるのです。
さて、話を戻します。昨年の箱根駅伝は第100回記念大会でしたが、元旦に発生しました能登半島地震の影響で開催が危ぶまれました。しかし、大会本部が熟考した結果、予定通り開催されました。3冠を狙った駒澤大学を破って青山学院大学が優勝したのはご存知の通りですが、我が順天堂大学は惨敗(涙)・・・・。10位までに与えられる今年の出場権を失い、10月に行われた予選会にまわることになったのです。その予選会ですが、ハーフマラソンを走って各大学上位10人の合計タイムで争います。第10位:順天堂大学 11時間1分25秒。第11位:東京農業大学 11時間1分26秒。なんと、“1秒差”で今回の本戦
の出場権を獲得したのです。そして迎えた今回の第101回大会。箱根駅伝に絶対の自信を持つ青山学院大学が、10時間41分19秒の新記録で優勝しました。原監督の奥様まで胴上げされたのは、記憶に新しいところです。箱根を攻略する鍵は、ずばり“山登り(5区)”と“山下り(6区)”です。青山学院大学で山登
りを担当した若林君と山下りを担当した野村君、いずれも区間新記録で他を圧倒しました。特に6区の野村君は前人未到の56分台に突入。これは、全くブレーキをかけずに駆け下りないと達成できません。MVPと金栗杯をダブル受賞したのは納得です。
我が順天堂大学は、最終の10区で四つ巴になりました。4校の内1校だけは11位で、予選会にまわる・・・。走りに余裕があると思って後輩を見ておりましたが、最後にゴール前に映し出された光景は、何と前3人の後塵を拝している???結果は7秒差で11位(涙)・・・・。まさに“秒差の天国(予選会)と地獄(本戦)”を味わった1年でした。
でも、予告しておきますが、皆さん来年は期待してください!!